迅速凍結包埋システム PrestoCHILL
凍結包埋とは、術中迅速診断や研究用途において包埋剤やコンパウンドと共に組織検体を凍結させる手法で、作成された包埋ブロックを薄切・染織し、診断が行われます。このプロセスは、特に脂肪組織や繊細な構造を持つ組織に対して、高品質な凍結標本を作成するために作業工程の標準化と高品質な組織検体の凍結包埋能力が求められます。
従来の凍結包埋では、液体窒素やドライアイス、ヘキサンなどの冷却剤を使用します。比較的高温で行われる処理の場合には凍結時間が長くなり、氷晶の形成やアーティファクトの発生が問題となります。また、脂肪組織の凍結が難しく、薄切片の品質に影響を与えることがあります。液体窒素などを利用する場合、取り扱いに非常に留意する必要があります。
PrestoCHILLは、術中迅速診断時における従来の凍結包埋作成時の課題を解決するために設計された専用の機器で、以下のようなメリットがあります。
脂質を含まない検体であれば、約60秒で凍結が完了します。
氷晶の形成を防ぎ、アーティファクトのない薄切片を作成できます。
液体窒素や有害な冷却剤を使用しない「ドライシステム」を採用しています。
PrestoCHILLは標本の凍結を60秒で完了します。迅速な凍結能力により凍結アーティファクトを排除、氷晶の形成を防ぎます。乳腺やリンパ節のような脂質を多く含む標本についても問題なく凍結させることができ、組織の繊細なハニカム構造にも歪みが生じることは有りません。特許を有する「フェイスダウン手法」によって、完全にフラットな凍結面を得ることができ、凍結包埋ブロックのトリミング時間を削減し、薄切を容易に行うことができます。研究用途ではもちろん、術中迅速診断の際の前処理段階において、高品質な凍結切片スライド作成に再現性をもたらすソリューションとなります。
試料を冷却する金属製の型に直接接触させることで超高速凍結を実現します。これにより氷晶の形成を防ぎ、組織構造の歪みを最小限に抑えます。
乳房やリンパ節などの脂肪組織でも、繊細なハニカム構造を保持したまま凍結が可能です。 これにより、薄切が容易になり、診断精度が向上します。
凍結面が平坦に仕上がるため、トリミング時間を短縮し、貴重な検体のロスを削減します。
PrestoCHILLでは病理検査室で採用されるプロトコルに合わせて様々なサイズ・形状の凍結モールドをご用意しております。異なる試料ステージや検体に応じた凍結包埋ブロックの作成することができます。また、PrestoCHILLの「フェイスダウン」包埋技法により、これまで作成が困難だった検体に対して最適なスライド作成プロトコルを提供致します。
NEW
サイズ | 300 x 540 x 450 mm |
重量 | 22 kg |
電源 | 100V 50/60Hz、250W |
付属品 |
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PrestoCHILLは、凍結包埋プロセスの標準化と高品質な標本作成を実現するための強力なツールです。筋組織の凍結切片では、筋繊維の配列が明確で、組織の詳細な観察が可能です。病理医や臨床検査技師の皆様にとって、迅速かつ信頼性の高い診断をサポートする革新的なソリューションとなるでしょう。
Q
1回に最大何個の検体を凍結包埋できますか?
A
モールドが6つ用意されておりますので、最大6つ同時に凍結包埋できます。
Q
最低何℃まで温度を下げられますか?
A
-80℃まで下げることが可能です。但しメーカー推奨使用温度帯は-40℃となりますが、お好みの温度設定でご使用いただけます。
Q
他社製のクリオモールドを使用しているが、使用可能ですか?
A
はい、他社製のクリオモルードがそのまま使用できるよう何点かご用意しております。詳しくは弊社にお問い合わせください。